Information
1973年に函入り装（旧版）、
1991年に新版、
2003年に復刊ドットコムによる限定復刻版、
2006年に『少女アリス』と『海からきた少女』が収められた『完全版アリス』、
2014年10月に、河出書房新社より、“当時撮影された貴重な未発表カットから、初版本と重複しないように同じく約60点を厳選し、再構成した”『少女アリス スペシャル・エディション』が上梓されています
いずれも、出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在
少女アリス
沢渡朔 *著
ドーマウス協会・桑原茂夫 *企画編集
堀内誠一 *写真*レイアウト
河出書房新社
1991初版・2003.2刷 / 25×27 / 31p
ハードカバー
[ 商品番号 Ｎ゜ef5-20 ]
沢渡朔氏が Alice の物語からイメージをふくらませて、3週間の滞在でなんと300本のフィルムを撮りきったという膨大な写真から編まれた、目にも艶やかで美しい写真集です。
ドールハウスと戯れる巨大化した Alice、少女と等身大のアリス人形と遊ぶ Alice、ヴィクトリア朝時代の古びた館へ迷いこんだ Alice、さながら物語の１シーンの中に居るような Alice、キャロル氏による少女写真風の Alice、Lolitaな魅力を発揮する色っぽい Alice など、とにかく本当にきれいな写真ばかり！
モデルとなっているのは、プロの売れっ子モデル・8歳のサマンサちゃん…けぶるようなブロンドが印象的な美しい少女ですが、オーディションの時の帰り際に“みんなにキスをしてくれた”ことが効いて起用が決定したというエピソードからは、かわいらしいと同時に、ファム・ファタール的な要素も伺え、まさに沢渡朔氏の耽美な Alice の世界にはぴったりという感じがします。
ちなみに、沢渡氏が抱いた少女の最初の印象は“春のように優しい女の子”だったそうですよ。
また、写真の他に読み物も充実！
薄いトレーシングペーパーに印刷され写真の間に挿まれている瀧口修造氏の序詞と谷川俊太郎氏の詩、そして「思い出手紙 掌編＝ルイス・キャロル／思い出＝アリス」として、高橋康也氏訳で紹介されているキャロル氏と Alice のモデル（後にハーグリーヴズ夫人）による物語が誕生した日のことについての回想、少女たちへの手紙、ＳＦ的なノンセンス短編『オドロキ・モモノキ式写真術』、ドーマウス協会による「アリスのこと キャロルのこと」という文章、沢渡朔氏の「撮影日録」があります。
なお、こちらは、1973年に函入り装（旧版）で上梓されて以来、版を重ねながらも品切れ、1991年に新版となって甦りますが、またも品切れ、ようやく2003年6月に復刊ドットコムにて限定復刻版として刷られた版となります。
その後、2006年4月には、“『少女アリス』と『海からきた少女』の初版を完全復刻させた待望の愛蔵版”『完全版アリス』が上梓されています。
いつまでも愛され愛でられ続けることが約束されたような、永遠の Alice 本となっていますよ.:*・゜
