食と暮らしの古本屋 eclipse plus

食べることが大好きだった あの人から、食べ物に関していろいろと語るなんてダンディでないという哲学をお持ちだった あの人まで…
作家、エッセイスト、写真家、詩人、映画監督、女優 etc... 錚々たる面々 31名の日々の“おやつ”が紹介された１册です。

紹介されているのは…
三島由紀夫、手塚治虫、開高健、檀一雄、植田正治、瀧口修造、市川崑、沢村貞子、坂口安吾、久世光彦、向田邦子、中里恒子、植草甚一、石井桃子、小津安二郎、種村季弘、川端康成、茨木のり子、池波正太郎、吉屋信子、古川緑波、井上光晴、色川武大、荻昌弘、内田百◇(ひゃっけん)、古波蔵保好、團伊玖磨、吉田健一、森茉莉、獅子文六、澁澤龍彦。（敬称略）

作家お気に入りのお菓子や銘菓を紹介してくれる写真はもちろんのこと、仕事場の風景や、おやつをほおばる作家のスナップなど、ビジュアル満載！
著作からの引用や、編集者やマネージャー、親族・友人などゆかりの方々から寄せられたエッセイも充実で、作家にまつわる貴重なエピソードや意外な素顔が愉しめます。

好奇心旺盛で 新しくて美味しいものに目がなかったり、流行作家ということで美味しいものが差し入れられたり…ということで、名店の銘菓も多いので美味しいおやつのガイドブック的にも愉しめますが、作家さんのイメージとは違う意外性のある嗜好に驚くことも多くて、興味深いです。
作家さんのセレクトやエピソードの選び方にも、ひと癖もふた癖もあって、丁寧な編集はさすがの読みごたえ.:*・゜

また、立原正秋、永井龍男、里見弴、小島政二郎（敬称略）について綴られた伊藤玄二郎氏のエッセイ「鎌倉文士のお茶の時間」や、アルバム形式で樋口進氏によるコメントと珍しい写真が拝見できる「カメラがとらえた文士の日常」なども愉しめ、 「おかしな話」として、「安藤鶴夫とたいやき」、「鴎外の饅頭茶漬け」（ ! ）、「クッキーとビスケット」（明治時代から辿る普及の歴史と作家にまつわるエピソード）も紹介されています。

巻末には、菓子店 / 文学館・記念館リストや、著作リストも♪
どうぞご堪能ください.:*・゜