特別展 白洲正子の世界

特別展 白洲正子の世界

読売新聞大阪本社
2003 / 30×22.5 / 127p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef2-9-6 ]

sorry... sold out

日本の文化・美術を、類まれな独自の感性と審美眼で見つめた白洲正子さんが、その実り多い人生を終えられたのは、1998年のこと…こちらは、その4年後の2002年に展観された、白洲正子さんの生き方を追った展覧会「特別展 白洲正子の世界」展の図録です。

名家に生まれ、4歳で能に目覚め、ついには女人禁制の世界で舞台にも立ってしまったという正子さんの若き日のあだ名は「韋駄天夫人」。お転婆な少女時代、留学先のアメリカでの様子、そして、“ひと目惚れ”の白洲次郎さんとの親の反対を押し切ってのご結婚、古美術や骨董への興味と執筆の日々…愛用の品々、お気に入りの美術品と共に、豊富なスナップ写真と正子さんの自伝や数多い著書からの引用で紹介されています。
「遊鬼 わが師 わが友」では、祖父にあたる樺山資紀氏、お父様である樺山愛輔氏、そして、その薫陶を受けた小林秀雄氏、青山二郎氏、河上徹太郎氏、ご学友の秩父宮勢津子さん、かわいがられたという吉田茂氏、梅原龍三郎氏、また、北大路魯山人氏、黒田辰秋氏との思い出など。
「風の男」では、旦那さまである白洲次郎氏の紹介。
「かくれ里」では、同名の著書の紹介と、日本各地を旅することで出逢った美術品や、得難い心の境地について。
「私の骨董」では、仕舞いこむのではなく暮らしの中で愛した白洲正子さんならではの骨董、美術の愉しみ方について。
「日本のたくみ」では、正子さんが銀座にて40年近く経営されていた染織工芸店「こうげい」ゆかりの作り手たち―加藤静允氏、菅原匠氏、田島隆夫氏、古澤万千子さん、三宅一生氏、安土忠久氏、関野晃平氏、福森雅武氏―が、その素晴らしい作品と共に紹介されています。

豊富な図版も目を楽しませてくれますが、やはり何より白洲正子さんが伝わってくるのは、そのなんとも言えないユーモアと真摯さを湛えた文章…きっと、数多く上梓されている著作も深く読み込みたくなること請け合いです。

世間の評価や権威による評価とは無縁のところで、骨董に宿る“魂”と向き合われた白洲正子さんの人生、本当に素敵ですね。

  • 目次
    • ごあいさつ
    • 特別展「白洲正子の世界」開催にあたって 青柳恵介
    • Ⅰ 韋駄天夫人
    • Ⅱ 遊鬼――わが師 わが友
    • Ⅲ 風の男
    • Ⅳ かくれ里
    • Ⅴ 私の骨董
    • Ⅵ 日本のたくみ
    • 不思議な「縁」 河合隼雄
    • 白洲正子年譜
    • 白洲次郎年譜
    • 出品リスト
  • 展覧会の巡回
    • 松屋銀座本店⇒大丸ミュージアムKYOTO⇒大丸ミュージアム・梅田⇒福岡アジア美術館

The key to the treasure is the treasure

好きなものと付合ってる間に、骨董の方から教えてくれたの。五、六十年もやって、やっと骨董にも魂があるってことを知ったの。その魂が私の魂と出合って、火花を散らす。といっても、ただ、どきどきするだけよ。人間でいえばひと目惚れっていう奴かな。そして、どきどきさせるものだけが美しい。ずいぶん色々のことを教えて貰った。あたしの欠点も、長所も、いかに生くべきか、ということまで。

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