華麗な革命 ロココと新古典の衣裳展
財団法人 京都服飾文化研究財団
1989 / 24×25 / 167p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef2-8-2 ]
フランスにおいて、ルイ14世が没した1715年から1815年にかけての100年は、続くルイ15・16世下の艶やかな宮廷文化、1789年のフランス大革命を経て、ナポレオンの登場と失墜、王制の復古…と、歴史的にも激動の時代でしたが、また、服飾文化においても時代を映し、ロココから新古典へと、“現代の衣服構造”へと通じるドラマティックな転換期を迎えました。
こちらは、フランス革命200周年を記念し催された、ロココ~新古典へと至るフランスの服飾史を紹介した展覧会「華麗な革命 ロココと新古典の衣裳展」の図録です。
“衣裳自体も数少ない上に、着装(スタイリング)や展示方法の最も難しいと言われている時代”のきらびやかな衣裳が、美しく意匠の凝らされた図版で楽しめます。
古い服を再び生き返らせるのは、“ドレスのシルエット、アクセサリーのみではなく、ヘアー・スタイルから靴の先までを含めた全体のプロポーション、そして最も重要なことはマネキンの姿勢”であり、全体的に醸し出される雰囲気が、当時の名画からの印象に近づいていれば“その努力は大半成功したといえる”とのことですが、こちらの図版は、その高い志に適っていて、とても雰囲気があります。
また、凝った織地や刺繍・ボタンなどのディテールがクローズアップされていたりと、観ていてうっとりの配慮も嬉しいかぎり!
文章も大充実で、歴史、社会思想、建築、室内装飾、絵画、文学などさまざまな視点で時代に迫った7名の寄稿が寄せられていて、読みごたえがあります。
「作品解説」も、ファッション文化におけるキーワードや、アンガジャント、フィシューなど服飾用語の解説付きという配慮で、モノクロながら図版も添えられ充実!
他、「写真掲載以外の展示作品」、‘ファッション*社会文化*日本’の3段組カテゴリーから成る「年表」、とても便利な創りの「用語・素材・人名索引」など、盛り沢山です!
ポンパドゥール侯爵夫人や、デュ・バリー夫人、マリ=アントワネット王妃、ジョゼフィーヌ皇妃 etc... 歴史上、今なお語り継がれる女性たちをも彩ったファッションの“手仕事が極めた精緻”そして“ほとばしる愉しい創造力”が楽しめる充実の1册となっていますよ.:*・゜
- 目次
- ごあいさつ
- ロココの世界 ジャン・スタロビンスキー 小西嘉幸 *訳
- 建築 18世紀の首都パリ フィリップ・デュボイ 小西嘉幸 *訳
- 図版 撮影 小暮徹
- ロココと新古典の衣裳 深井晃子
- もうひとつの欲望 劇的な時代を着た人々 金井純
- 優雅な時代から風雲の世へ 男たちと女たち 堀井敏夫
- 18世紀婦人服の裁断と構造 ジャネット・アーノルド
- 18世紀ジュエリーの真実 マーティン・カマー
- 作品解説
- 年表
- 用語・素材・人名索引
- クレジット
- 展覧会の巡回 京都国立近代美術館