食と暮らしの古本屋 eclipse plus

2004年・春、青山のオルネ・ド・フォイユ、そして代官山のユトレヒトにて、テーマ別・同時開催というユニークな形で催された「 Herve Morvan LES PETITES AFFICHES～エルベ・モルバン 小さな原画展～」…こちらは、それぞれのお店ごとにテーマ別にまとめられた、2册セットのカタログです。

エルベ・モルバン氏は1917年・フランスに生まれ、美術の専門学校を卒業後、広告業界で働き始めます。1942年に初めてサイン入りで映画ポスターを制作。その後、1980年に63歳で亡くなるまで、広告ポスターの分野で大活躍！なんと約1200点ものポスターが、彼の作品として知られています.:*・゜

「エルベ・モルバン 小さな原画展」は、モルバン氏がポスターの創作にあたって描いた小さな下絵を紹介した展覧会です。

氏の娘さんであるヴェロニックさんが大切に保管されていた貴重な原画たちで、実際にはポスターになることのなかったアイデアの段階のものや、小さなメモのような下絵がクライアントのＯＫを待ってメトロ構内に貼られるような大きなサイズに描かれていく課程、また、試行錯誤やアイデアソースの跡が伺えるものなどなど、なるほど・お見事なデザインの発想と、可愛らしくキュートで心弾むようなイラストが堪能できます♪

ユニークな2册セットの内容は…☆

Jeunesse au plein air

「Jeunesse au plein air」（子供の王国）というサブタイトルが付いているレ・サンクカルネ版は、モルバン氏が多く描いた、薔薇色ほっぺの元気な子どもたちがテーマ！
原画を実物大で拝見できたり、下絵のイラストと完成版ポスターを比べて観ることができたり…♪ページのレイアウトもとっても可愛い♪

DANS LE ATRIERE DE MORVAN

「DANS LE ATRIERE DE MORVAN」（モルバンのアトリエから）というサブタイトルが付いているユトレヒト版は、“エスキスと呼ばれる下書きや習作、その用紙の裏に描いてあった落書きなど、制作の過程が伝わってくるもの”がテーマ！
こちらでも、下絵のイラストと完成版ポスターを比べて観ることができるようになっていて、１つの完成版が生まれた背景に、たくさんのアイデアが控えていた様子が観てとれます。巻末には、ノートカバー（プロティージュ・ド・カイエ）とインク取り紙（ビュバー）の紹介もありますよ♪

小さな原画を紹介した本にふさわしく、本たち自体もまた、小さくてとても可愛らしい…☆でも、小さくても内容は盛り沢山！な2册セットとなっています。

• 展覧会の巡回　オルネ・ド・フォイユ（レ・サンクカルネ）、ユトレヒト