アール・デコ・ジュエリー 宝飾デザインの鬼才シャルル・ジャコーと輝ける時代
アートコンサルタントインターナショナル
2006 / 25×19 / 239p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef2-2-4 ]
シャルル・ジャコー氏は、1909年から1954年にかけて、パリ、ラ・ペ通りのカルティエで活躍した宝飾デザイナー。そのデザイン画は、“宝石同様に繊細な色彩と透明感のある輝きを持つ芸術作品といえる”素晴らしさで、現在はパリのプティ・パレ美術館に、宝飾デザイン画コレクションの中核として所蔵されています。
こちらは、そのジャコー氏のデザイン画を中心とした185点の宝飾デザイン画を軸に、アール・デコ期のジュエリーデザインを紹介した展覧会「アール・デコ・ジュエリー 宝飾デザインの鬼才シャルル・ジャコーと輝ける時代」展の図録です。
展覧会の構成は、年代を追う形でありながら、その時代の特徴を印象づけるようなモチーフごとにまとめられています。
また、当時の雰囲気を伝える女性の油彩肖像画6点、ウォルトやポール・ポワレの優美なドレスをまとった女性が描かれたジョルジュ・バルビエ氏、ジョルジュ・ルパープ氏、アンドレ=エドゥアール・マルティ氏、シャルル・マルタン氏などのポショワール58点が、より華やかな同時代的趣きを添え、ジャコー氏のデザインから世に生み出された作品はもちろん、ルネ・ラリックやラクロッシュ、ブシュロンなど同時代の宝飾・装身具も拝見できます。
文章は、展覧会カタログには珍しいのではないでしょうか、“!”が多用された情熱的な感じで、詩的でもある美しい文章です。
図版の説明はもちろん、ジュエリーの歴史など概観から詳細まで、とても興味深くまとまっていて読みごたえがあります♪
また、ジャコー氏についても、バレエ・リュスなど同時代の芸術的動向に敏感でありながら、美術館や展覧会に足繁く通い、古今のあらゆる文明の“すべての印象と記録”を“アイディアのデータ・バンク”に蓄え日々デザインプランを練っていたという、その絶えまない研究熱心ぶりがそこかしこで描かれていて、感動的ですらあります.:*・゜
宝石が希少なものである故、時代の移り変わりに応じて創り変えられる運命を逃れない宝飾品は、その残存数も少ないということで、宝飾デザイナーもまた宝飾店ほどには一般に知られている存在ではないという現状の中、“装身宝石細工のデザイン素描というかくも知られていない領域”に光を当てた、フランス本国からしても画期的な展観とのこと。
“光の詩人たちの創作アイデアが最初に形をなしていく様がその誕生の絵画的力強さの中に”観てとれる、美しい光に満ちた展覧会となっています…☆
洒落た仕掛けのあるシックな装幀も嬉しいところですので、どうぞお楽しみに!
- 目次
- ごあいさつ(フランス語もあり)
- 序文:職人ギルドから組合会議へ
- 1 ヴァンドーム広場からラ・ペ通りにかけて
- 2 アール・ヌーヴォー
- 3 18世紀に想を得た小物類
- 4 プラチナとダイヤモンド:ガーランド様式とその発展
- 5 ハット・ピン
- 6 新しい女性
- 7 飾り鉢とバルケット
- 8 豹柄
- 9 アール・デコの装身具と色彩
- 10 中国・日本の影響
- 11 白いアール・デコ、ダイヤモンドとオニキス
- 12 インドとマハラジャ
- 13 黄金への回帰
- 14 指輪
- フランスと日本の女性文化における相互交流 (フランス語もあり)
- …ファッション雑誌のポショワールをとおして 高波眞知子
- 主要作家解説
- Sources Scientifiques
- 出品作品リスト
- 展覧会の巡回 東京都庭園美術館⇒海の見える杜美術館⇒京都国立近代美術館