トロースドルフ絵本美術館展 赤ずきんと名作絵本の原画たち
朝日新聞社
2005-2006 / 24×19 / 282p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜ef2-10-1 ]
ドイツのトロースドルフ絵本美術館が所蔵する、スイスのヴァルトマン夫妻による「赤ずきん」コレクション、そして、同美術館が収集したヤーノシュ氏、レオ・レオーニ氏、ドゥシャン・カーライ氏など11人の絵本作家たちの原画をあわせて堪能できる、とても贅沢な企画展「トロースドルフ絵本美術館展 赤ずきんと名作絵本の原画たち」の図録です(下記は展覧会を実際に観た後に書いたものを転載しました)。
50年以上をかけ、スイスのヴァルトマン夫妻によって収集されたこのコレクションは、絵本やその原画はもちろんのこと、お菓子の包装やおもちゃなど、本を抜け出しグッズのモチーフとして活躍する「赤ずきん」までもが含まれている情熱的なもの。
また、収集したコレクション以外に、コレクションを通して多くの絵本作家たちと交流を持っていた夫妻ならではの所蔵品…特に親しくしていた絵本作家ビネッテ・シュレーダー氏から贈られた「赤ずきん」をモチーフにした絵やポストカード、夫妻宛の手紙・カード・封筒、また、多くの作家から贈られたお誕生日カード…等、“コレクターとアーティストの幸せな関係”を垣間見ることができる微笑ましい展示は必見です♪
特に、ビネッテ・シュレーダー氏によるイラスト付き封筒は素晴らしく、展覧会のフライヤーや図録表紙に使われているほど!中の手紙ではなく、封筒に描いてしまうところが豪気だなあと思いますが、こんなお手紙をもらったらどんなに嬉しいでしょうね!!ちなみに、貼ってある切手もとても綺麗でした。
絵本の展示は時代順に紹介されていて、印刷技術の発展やイラストの流行・時代色なども垣間見ることができます。
面白かったのは、バリエーション本(パロディ本)の紹介で、現代になればなるほど赤ずきんが強くなっていって、頼もしい限り!
その他、しかけ絵本や絵葉書もありました♪
板橋区立美術館は、初めて出掛けましたが、展示の飾り付けなど、とってもアットホームな感じで良かったです♪学芸員さん達が、皆、赤色のベレー帽をかぶっていたり☆パネルも、「赤ずきんチェック」など楽しいコーナーがあったり、あと、紹介文に、ちょこっと書いている方の感想が忍ばせてあったり(!)。
この図録も素晴らしいです!展覧会では、本の表紙だけでページを観ることができなかった作品に関しても、中のページが掲載されていますし、エッセイも充実♪
巻末の参考文献と、あと、“日本における「赤ずきん」出版物一覧”(!)は、とても手間がかかった、嬉しいおまけですよね☆
- 目次
- 赤色の「ヴィッセム館」―トロースドルフ絵本美術館の紹介 マリア・リンスマン(ドイツ語の原文あり)
- トロースドルフ絵本美術館の魅力 松岡希代子
- 図版
- 「赤ずきん」コレクション
- ヴァルトマン・コレクションにみる「赤ずきん」の200年 ベルンハルト・シュミッツ
- 1、童話集と絵本 1800-1899年
- 2、童話集と絵本 1900-1939年
- 3、童話集と絵本 1940-1995年
- 4、しかけ本とヴァリエーション本
- 5、そのほか
- 6、コレクター紹介
- 名作絵本の原画たち
- コレクションを展望する パオリーネ・リーゼン
- 狼と女の子の300年の物語 天沼春樹
- 時代を映す「赤ずきん」絵本 灰島かり
- 日本における「赤ずきん」出版物一覧
- 主要参考文献
- 出品リスト
- 展覧会の巡回
- 板橋区立美術館⇒刈谷市美術館⇒北九州市立美術館(分館)⇒高岡市美術館