いわさきちひろ展

いわさきちひろ展

ちひろ美術館
1997 / 24×19 / 162p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef2-1-9 ]

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眺めていると、なんだか“心のどこかがぬくぬく燃え、生きていく喜びがあふれだし”てくるような いわさきちひろ さんの絵は、日本のみならず世界中の人々に愛され、嬉しいことに展覧会もこれまで数多く催されています。
原画で拝見すると、その抑えた表現の中に漂う生き生きとした力強さと美しさがまた格別なちひろさんの絵.:*・゜

こちらは、1997年に、ちひろ美術館20周年と安曇野ちひろ美術館開館を記念して催された「いわさきちひろ展」の図録です。

絵本原画はもちろんのこと、「キンダーブック」「子どものしあわせ」など雑誌の挿絵や、企業カレンダー、広告、教科書 etc... におけるお仕事、また、初期のデッサンや、旅先のスケッチ、自画像や、お子さんのスケッチなどなど、いわさきちひろ さんの軌跡を139点の作品で楽しむことができます。

絵本原画の紹介は、習作も含め、『絵のない絵本』『おふろでちゃぷちゃぷ』『となりにきたこ』『ひさの星』『戦火のなかの子どもたち』などのタイトルからお目見えしていますが、特筆すべきは、『となりにきたこ』の紹介です。
現在絵本として楽しめるパステルによる原画作品以外に、完成作品に先立って描かれ、試し刷りもされていたという鉛筆と薄墨によるモノクロームの習作バージョンも紹介されていて、ちひろさんが1册の絵本の完成に至るまで、どんな試行錯誤をされていたのかという貴重な足跡を追うことができるようになっています。また、パステルバージョンでも、1つのシーンに対して、何枚もの習作が遺されていて…眺めているとほんとうに感動してしまいます.:*・゜『となりにきたこ』については、息子さんで安曇野ちひろ美術館館長でもある松本猛氏が寄せてらっしゃる文章でも、詳しく考察されていますので、どうぞ併せてご覧になってみてくださいね。

あと嬉しいのは、作品リストの欄で、紹介されている絵本ごとに概要と、ちひろさんの作品の中でどのような位置にあるのかという紹介、また、絵本で対応するページの文章が掲載されていることで、もちろん、絵本として後でちゃんと楽しんでみるのが一番良いのですが、素敵な配慮だなと思いました。

他、ゆかりの人々から寄せられた文章も充実です♪

ちなみに、上記の“心のどこかがぬくぬく燃え~”の引用は、実は終戦後の落胆からしばらくして日記に綴られた ちひろさんの言葉。その当時の思いの大きさ・深さが続いてらっしゃって、伝わってくるからなのでしょうか…。8000点以上に及び(!)、またその1作品1作品が心の大切な場所に響いてくるような、ちひろさんの遺された作品を眺める時、また同じ思いに包まれてなりません.:*・゜

  • 目次
    • 平和の種 高田宏
    • ちひろさんのように 俵万智
    • ある映画ポスター 山田洋次
    • 図版
    • ちひろ芸術をはぐくんだ人々 箕田源二郎
    • 『となりにきたこ』に見るちひろの絵本観 松本猛
    • 年譜
    • 作品リスト
    • (全ての文章に英文併記)
  • 展覧会の巡回 伊勢丹美術館⇒大丸ミュージアム・梅田

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