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“多くの子どもたちが最初に出会う美術であると言える”絵本…こちらは、身近な絵本の楽しさを、主に宮城県美術館が所蔵する絵本原画によって、美術の観点から展観した展覧会「はじめての美術　絵本原画の世界」展の図録です。

展覧会を構成する原画は、福音館書店発行の「こどものとも」が中心となっています。福音館書店では、その当時まだ欧米でも珍しかった“原画室”を設け、創刊号からの原画をアーカイヴとして保存していたとのことで、「こどものとも」初代編集長である松居直氏の発案により、まとまったコレクションとして宮城県美術館に寄贈され、こちらの展観に至ったそうです。

「こどものとも」は、1956年に福音館書店より創刊された月刊の物語絵本。ひとつのお話にひとりの画家が通して絵を描くという月刊絵本としては斬新な形態、また、それまで絵本の仕事をしたことのない日本画、洋画、水彩画、版画、彫刻、商業美術、漫画など幅広い分野からアーティストを画家として起用するなど、思い切った編集方針が採られ、今なお読み継がれている数々のベストセラーを世に送り出しました。

図版では、秋野不矩、池田龍雄、大沢昌助、桂ゆき、稗田一穂、土方久功、堀文子、村山知義、山下菊二、山中春雄、朝倉摂、太田大八、荻太郎、小野かおる、坂本直行、佐藤忠良、田島征三、長新太、寺島龍一、富岡妙子、永井保、中谷千代子、なかのひろたか、西巻茅子、羽根節子、三芳悌吉、山田三郎、山本忠敬、山脇百合子、横内襄という錚々たる顔ぶれの30人の作者による50の絵本から、321点の原画が紹介されています（敬称略）。

また、例えば佐藤忠良氏の彫刻など「関連作品」を紹介したコーナーも☆
他、上記下線部の画家たちが詳しく紹介された「画家と絵本」や、貴重なエピソードが詰め込まれた「インタビュー抄録」など、文章も充実です♪

あの大好きな絵本に、はじめて出逢った頃を思い出しながら、どうぞお楽しみください.:*・゜

• 目次
  • あいさつ　（英文もあり）
  • 伝達する絵画　有川幾夫　（英文もあり）
  • 図版
  • 画家と絵本　土方明司
  • インタビュー抄録　編・原田敦子
    • 太田大八
    • 小野かおる
    • 佐藤忠良
    • 長新太
    • なかのひろたか
    • 山本忠敬
    • 山脇百合子
    • 松居直
  • 作品目録

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