Information
ただいま流通中です >2018年7月現在
淡交社
2004 / 24×19 / 231p
ソフトカバー
[ 商品番号 N゜ef2-1-5 ]
1920-30年代のロシアで発行された絵本は、表紙は共紙で薄手の紙に刷られた、ホチキス留めの小冊子といった簡易な創りですが、革命を経た刷新の機運のなかで盛り上がっていたロシア・アヴァンギャルドの成果が注ぎ込まれた魅力的なセンスに満ち、創意に溢れた新しいスタイルが試みられていました。
斬新な色彩感覚に、シンプルでありながら心踊るようなリズミカルなフォルム、そして身近なことをモチーフとしたそのジャンルの多様さ!…その新鮮な表現と方法は、国内はもとより、遠くヨーロッパの国々、そして日本においても享受され、その後の絵本創りの方向性に大きな影響を与えることとなります。
しかし、1930年代後半になると、国家の厳しい表現の統制によってこれら革新的な絵本は発行不可能となり、奇跡のように誕生したロシア絵本の黄金時代は終焉を迎え、やがて忘れ去られる運命となってしまって…。
こちらは、その後幻となっていたロシア絵本を含む約250册を一堂に紹介した展覧会「幻のロシア絵本 1920-30年代」の図録です。
図版部分は2部構成…
第1部は、ジャンルごとに分けられたロシア絵本・168タイトルの紹介です。 こちらは展観に際しても、全部のページを観せることのできない絵本の展示ということで、全展示絵本のコピー本を楽しめる部屋が設えられているという嬉しい配慮がありましたが、そんな配慮は図版にも見られ、表紙だけでなく中のページも随分と楽しめる素晴らしい創りとなっています♪
第2部は、ロシア絵本が昭和初期の日本の絵本に与えた影響を辿っています。 そもそも、この展覧会で紹介されているロシア絵本は、そのほとんどが、絵本が刊行されて間もない1930年代にリアルタイムで収集された個人の蔵書とのこと。中核を占めるのは、画家・吉原治郎氏のコレクション87册で、画家の柳瀬正夢氏、デザイナーの原弘氏らが続きます。子どもの手を経る絵本は概して保存状態が芳しくなく、世界的に見ても、これらのコレクションは貴重とのこと。海外の新しい動向に敏感な若いアーティスト達が、ロシア絵本に注いだ熱い関心とまなざしが伝わってきます.:*・゜また、吉原氏が後に、ロシア絵本に触発されて発行したと想われるお洒落な絵本『スイゾクカン』も拝見でき、そのモダンさにも驚かされますよ!
なお、こちらの図録は展覧会図録には珍しく、一般に流通しています。
このような配慮も含め、上記で紹介しました[展観における全展示絵本のコピー本閲覧]や、下記で紹介しています[「幻のロシア絵本」復刻シリーズ]に至るまで、ロシア絵本の素晴らしさを 深く広く長く 伝えようとする気持ちの込もった創意ある試みもまた、とても素晴らしい展覧会です.:*・゜
ただいま流通中です >2018年7月現在
「カフェエイト」さん *著
『VEGE BOOK 3』から…ゴールデンデリシャスと赤ワインのジェラートを作ってみました♪