食と暮らしの古本屋 eclipse plus

1975年の初個展以来、画廊やギャラリーで個展を重ねてこられた山本容子さんの、初めての大規模な展覧会の図録です。
本の装幀画、挿絵、版画に油彩やオブジェまで約２６０点が、６つのカテゴリーに分けられ紹介されています。

［Book Works］［Literature on Canvas］では、展覧会図録の表紙にも使われている「集英社ギャラリー世界の文学」シリーズや、ご自身の本を含む多彩な単行本の装幀・挿画、映画をモチーフとした作品など。
［Prints］では、個展「JUNE BRAND」で発表した作品、初めての欧州旅行での発見や印象を描いた作品、 個展 「PORTRAIT」「CHANT SONG」で発表した作品など。
［Portraits］では、素晴らしい発想力でイマジネーション豊かに描かれた、さまざまなシリーズのポートレイト作品が楽しめます。
［Warm Works］では、「Warm Works」と名付けられた一連の立体シリーズや、「Tool」シリーズなど。
［Intimate Yoko］では、旅行先での印象を描いた作品、「CHANT SONG」シリーズの手彩版、麻布やガラスを用いたコラージュ作品などなど。
特筆すべきは、ポートフォリオの紹介で、93年までに上梓された意匠の外観の写真はもちろんのこと、「A Christmas Memory」「Folklore」そして「One Riddle Riddled by Eight Riddle-Ridden Riddles」に至ってはなんと、内容も拝見することができます♪

作品について紹介する文章は全くないのですが、でもそれがかえって、作品自体を純粋に楽しませてくれているような…。 山本容子さんの多彩な創作の軌跡が、生き生きと伝わってくる内容となっていますよ！

なお、作品の解説もやっぱりないと物足りない…そんな方はぜひ、『展覧会の展覧会』を併せてご覧ください☆ 山本容子さんが、“展覧会とどのように向き合い、どのように付き合ってきたのか”、時代を追って紹介した内容なのですが、まるで展覧会会場で、山本さんが横に居て作品についていろいろと説明してくれているような楽しい解説も盛り沢山な、とても素敵な１册です。

• 目次

• 目の位置から見た山本容子　亀倉雄策
• ノスタルジーとリアリティー　山本容子の作品の世界　中原佑介
• プロフィール
• Book Works
• Literature on Canvas
• Prints
• Portraits
• Warm Works
• Intimate Yoko
• 作品リスト

• 展覧会の巡回　大丸ミュージアム・梅田⇒大丸ミュージアムKYOTO