説得

説得

ジェーン・オースティン *著
大島一彦 *訳
キネマ旬報社
2001.5 初版 / 19×14 / 329p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜e3-1 ]

sorry... sold out

自分の決断が、心から愛情と信頼を寄せている人によって反対されたらどうしますか…?

『説得』の主人公・アンは、19歳の時に恋に落ち結婚を決意しますが、彼女が心から愛情と信頼を寄せている母親代りのラッセル令夫人に反対され、その説得を受け入れます。
その後、7年の時が経過し、アンは27歳。ようやく抱いていた愛情のほぼすべてを鎮めたと落ち着いた気持ちになった矢先、かつての恋人・ウェントワース大佐が、再び身近な交友関係の中に姿を現わします。
戸惑うアンを中心に、さまざまな登場人物が入り乱れ物語は進み、やがて2人はもう一度お互いの気持ちを確かめ合って.:*・゜

「あとがき」によると、かつてこの物語は“愛の交響曲”と称えられたそうです。
確かに、全ての登場人物がもたらすエピソードは、直接的に、また間接的に、絶妙な間合いで、アンとウェントワース大佐を運命の先へ導き照らし出します。
それぞれのパートがテーマを先へと進めるその奏で方は驚くほど絶妙で、アンの気持ちに寄り添いながら、一気にラストまで読み進めてしまうことを抗えない魅力に満ちています。

“イギリス小説の中でも指折りの美しい愛の場面”と名高いウェントワース大佐の手紙のシーンも、期待以上に素晴らしかったです。手紙の本文も、もちろん心に迫るものでしたが、なにより、手紙を書いて渡す時のシチュエーションが、美しかった…☆

ちなみに、こちらは原題も邦訳通り『Persuasion』、ウェントワース大佐の手紙が第二の説得としてタイトルと響いてくるのも、感動を増してくれる感じがします。

『説得』は、恋についての物語だけれども、アンの自分の決心に対する向き合い方には、恋に限らず学ぶべきものが多々ありますし、小説を読んでいる間、アンに気持ちを寄り添わせていると、自分の決断への責任の取り方のようなものまでもが深く伝わってきて、勇気付けられます。
なにかに迷っている方に、お薦めしたい1册です。

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