ちっちゃな淑女たち カミーユとマドレーヌの愛の物語

ちっちゃな淑女たち カミーユとマドレーヌの愛の物語

セギュール夫人 *原作
三島由紀夫 *監修
平岡瑤子 * 松原文子 * 共訳
池田浩彰 *装丁*さし絵
小学館
昭和45年初版・54年5刷 / 函 26×19.5 本体 25×19 / 249p
ハードカバー
[ 商品番号 N゜e1-5-2 ]
★書影は、函の表紙です

sorry... sold out

セギュール伯爵夫人は、1799年 ロシア貴族の家に生まれ、18歳で渡仏、20歳で結婚…3人の息子さんと4人の娘さんに恵まれて、パリのお屋敷とノルマンディーの領地を行き来しながら生涯を過ごされ、晩年になって児童文学者として世に見出された方です。
離れて暮らすふたりの孫娘 ~カミーユとマドレーヌ~のために、お話を書いて贈ったことがきっかけで世に出られたそうです!

こちらの『ちっちゃな淑女たち』は、ご自身のノルマンディーでの暮らしをモデルに、19世紀のフランスはノルマンディー地方の貴族の館を舞台にしたお話となっています。
カミーユとマドレーヌの姉妹、そこに、マルグリート、ソフィという2人の少女も加わり、いろんな事件や出来事が起こる日々のなかで、少女たちが 人の役に立つことの喜び、 自分のしたよくなかったことの反省や 人のしたよくなかったことへの赦しなど、さまざまなことを学んで、“ちっちゃな淑女” として 成長していく様子が、愉しく、生き生きと描かれています。

当時の貴族の子女向けに書かれたお話なのであくまで品良く、三島由紀夫氏夫人である平岡瑤子さん、フランス文学者 松原秀一氏夫人である松原文子さんが共訳され、三島由紀夫さんが翻訳文の日本語の監修を務められた訳が、なんともいえずお話に合っています.:*・゜

三島由紀夫さんが寄せられた序文も素晴らしくこのお話について語られていますので、一部を下記でご紹介していきますね。

また、画家の池田浩彰さんによる 端正で優雅な装丁と挿し絵も素晴らしすぎて、物語の世界を さらに深く堪能させてくれることはもちろんのこと、本棚にあるのが嬉しくなってしまうような1册にしてくれています。
どうぞご堪能ください.:*・゜

ちっちゃな淑女たち カミーユとマドレーヌの愛の物語
本体の表紙です♪

The key to the treasure is the treasure

 セギュール伯爵夫人の 『ちっちゃな淑女たち』は、一見古めかしい物語ですが、少女たちのものの感じ方やいたずら気分が きめこまやかに描かれ、全体に、いかにも安定した、しつけや道徳にしっかりした基準のあった時代の、しっとりとおちついたふんいきや詩情がにじみ出ています。そしてそういう時代、そういう生活のなかにも、人間関係のむつかしさや、ある場合にはドラマチックな悲劇などが、決して避けることのできない 人生の事件として、丹念に織り込まれています。フランスの理想的な家庭教育を、物語の形で教えるこの本が、一種の古典として彼地で敬愛されているのも、故ないことではありません。

 しかし、今の日本で、こういう本を子どもに読ませることには、どういう意味があるでしょうか。時代も生活習慣も宗教も習慣も、何もかも、一つとして 今の日本に妥当するところのない美しい物語。 甘すぎる解決、お人よしすぎる話の運びなどに、いらいらする人も多いことでしょう。正にそのことが、この本が今の日本で読まれるべき理由だと私は考えます。

 私たち親たちは、すべてに確信を失っているのです。家庭にはいりこんでくるテレビの威力の前に、子どもたちを守ろうとしても、もうむだです。よい言葉やよいしつけについては、おとなでさえ忘れてしまっている現状です。何がよいことで、何がわるいことか、子どもたちは わかりやすい簡単な基準を与えてほしがっているのですが、それを与えることのできない親たちは、子どもたちをしかる資格さえ失っているのです。

 『ちっちゃな淑女たち』には、美しい言葉、美しい心、美しい行為とは何かということが絶えず問われています。そのむかしのフランスで美しかった言葉、美しかった心、美しかった行為が、今の日本でそのまま美しいとは限りません。けれども、ある形に結晶し完成された生活や道徳は、その安定した美しさで、別の美しさを誘い出します。一つの美しさは別の美しさと照応し、一つの美しさによって別の美しさが誘い出される。これが美の法則でもあり、道徳の法則でもあります。美しさは「誘い出される」のです。もしこれが確信を持たぬ不完全な美なら心をうちますまいし、またもしこれが 風土に根ざさぬ抽象的で高遠な人類愛のお話なら心をたのしませないでしょう。 遠い歴史と風土の中に咲く花であっても、 小さく咲いた完全なえにしだは、日本の可憐な夕顔の親せきになり、われわれの心に、忘れていた夕顔の美しさを誘い出すのです。いくつかの偏見をも含めて美しい、何がよいとされ何が悪いとされたかが厳然とした生活が、優雅に描かれているこの小説には、どんな時代になっても女性のあこがれである 「レディー」 の教育の典型が語られており、美と道徳との一致が、「婦徳」という古風な言葉を現実化させてゆく、きめのこまかい経緯(ゆくたて)が、田園のにおいと光のなかにたどられています。

「序」より、三島由紀夫さんの文章

Information

日本翻訳出版文化賞受賞、小学館絵画賞受賞

出版社品切れ または絶版 となっています >2018年6月現在

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