食と暮らしの古本屋 eclipse plus

「あなたの詩集」を経て、第１回フォア・レディース賞受賞後、岸田理生さんが上梓された初めての本です。

３９歳のパパ、４歳の猫、そして１６歳の由似、仲良し３人家族の日々を限りなく甘～く描いた連作スケッチ♪
葉巻きの似合うダンディーなパパと、そんなパパにファーザーコンプレックスを抱く少女の関係は、まるで恋人のよう☆
「パパのための詩　愛をこめて」「リトル・ジャーニー　パパの手紙は宝物」「退屈な日曜日　退屈なんて嘘！パパがいるから」…など、各章のタイトルからして、かわいらしすぎます！

巻末の「あとがきふう自己紹介」に、好きなもの…猫と本とありますが、この１册の中にも、たくさんの猫たちの風景と本たちがちりばめられています。
特に、途中で１章が設けられている“「人生処方」書店”では、「少女たちのための心の病院」として、さみしい時、憂鬱な時、恋をした時… など、人生のさまざまなシチュエーションに合わせた推薦書が紹介されていたり！（ケストナー氏、ひいては寺山修司氏による明らかな感化が微笑ましいですね♪）

本が好きで、猫が好きで、少女の頃の気持ちを愛おしむ方ならきっと！パパっ子だった人も、そうでなかった人も、楽しめる１册となっていますよ☆

アミは１７歳、同級生のシンとダイ・２人の少年騎士に見守られる幸せな女の子！そんな仲良し３人組の甘酸っぱい初恋の物語が、連作スケッチ風に描かれた１册です。こんな３角関係は、女の子の憧れといった感じ♪

数々の固有名詞が散りばめられたペダンチックな文章は、背伸び気分も相まって、本を愛する少女にぴったり。
全体的には、なんとも甘く、でも時に急に大人びて突き放したような残酷さを称えているところも、少女の趣味にかなっています。

「男の子は何でできている？」「アミの料理学」「アミが風邪で休んだ日」「アルセーヌ・ルパンの履歴書」など、文章のタイトルだって、とっても可愛い☆

ページを彩るのは、淋しい寂しい夢に迷い込んだような、顔のない少女が佇む味戸ケイコさんの 美しいイラスト！見開きもあり、カラーで６葉も…豪華です。